2002 Fiscal Year Annual Research Report
一粒系コムギにおける減数分裂に関する遺伝子のマッピング
Project/Area Number |
14704008
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
那須田 周平 京都大学, 農学研究科, 助手 (10273492)
|
Keywords | コムギ / 突然変異誘発 / 減数分裂 / 稔性 |
Research Abstract |
細胞遺伝学的に減数分裂の過程が詳細に記述されているコムギを材料として、減数分裂に関する突然変異体を選抜・育成することを目的としている。6倍体であるパンコムギでは突然変異体の表現型によるスクリーニングが困難であるため、2倍体である一粒系コムギ(Triticum monococum var. monococcum)を材料とした。一粒系コムギ種子のイオンビーム照射により誘発した突然変異系統(M_1)を自殖し、約1400のM_2自殖穂別系統を得た。突然変異遺伝子座に関して穂別系統内で分離していることが期待されるため、各系統から10粒をランダムに選んで播種した。成長してきた実生の中には、複数の葉緑素欠損個体が出現し、それらは単純な一遺伝子座型のメンデル比を示した。よって、イオンビーム処理によって有効な突然変異誘発が行えていると判断している。そのほか、矮性、生殖成長の遅延、無芒、短穂等の突然変異体が得られている。 M_2自殖穂別系統のすべてに袋掛けをし、自殖種子稔性を調査した。減数分裂に関わる遺伝子で、その効果が必須である遺伝子が突然変異すれば、ホモ個体は完全不稔になると期待される。しかし、残念ながら、完全不稔個体は得られなかった。新たに、線量を調整して突然変異の誘発を行う計画をしている。そのほかに、106の系統が不完全な稔性の低下を示した。これらの系統内では、部分不稔個体と可稔個体が分離していた。平成15年度に、これらの系統を栽培し、花粉稔性を調査することにより、雄性配偶子形成過程に関与する遺伝子の突然変異個体を同定する予定である。 一粒系コムギの稠密な遺伝子地図作成のため、組換え近交系統から全DNAを抽出した。両親からのDNAを用いた予備実験により、AFLPマーカーを用いた場合の多型なバンドの割合が約10パーセントであることがわかった。平成15年度に分離集団を供試し遺伝子地図を作成する。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Masoudi-Nejad, A., Nasuda, S., McIntosh, R.A., Endo T.R.: "Transfer of rye chromosome segments to wheat by a gametocidal system"Chromosome Research. 10. 349-357 (2002)
-
[Publications] Masoudi-Nejad, A., Nasuda, S., Kawabe, A., Endo T.R.: "Molecular cloning, sequencing, and chromosome mapping of a 1A-encoded omega-type prolamin sequence from wheat"Genome. 45. 661-669 (2002)
-
[Publications] Friebe, B., Zhang, P., Nasuda, S., Gill, B.S.: "Characterization of a knock-out mutation at the Gc2 locus in wheat"Chromosoma. (in press). (2003)