2004 Fiscal Year Annual Research Report
移植腎臓の長期生着を目指した遺伝子導入法の応用による新たな治療戦略の確立
Project/Area Number |
14704035
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
冨田 奈留也 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (70314432)
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Keywords | 腎臓移植 / 遺伝子導入 / 超音波 / デコイ核酸医薬 / リボン型デコイ核酸医薬 / NF-κB / 超音波造影剤 / S-オリゴ |
Research Abstract |
本研究課題では移植腎臓の長期生着を目指し、遺伝子導入方法を応用した新たなる治療方法の確立を目的とした。昨年度までに移植腎や生体腎に対する遺伝子導入方法として超音波とその造影剤の組み合わせによる新規の導入方法を確立し、論文発表した。今年度はその応用による実際的な手法として我々が以前より手掛けていた核酸医薬の改良を行った。中でもデコイ核酸医薬は我々が世界で初めて治療に応用した手法で、転写調節因子の活性を抑制するもので一度に数種類の遺伝子発現抑制が可能であり、そのポテンシャルは非常に高いと考えられてきた。ただしながら、従来のデコイ核酸医薬の臨床応用は局所の少量投与のみ認可されていたものであり、今後の長期にわたる大量投与には不向きであると考え、その改良を中心に研究を進めた。その成果を以下に記す。 (1)新規リボン型デコイ核酸医薬の開発 従来のデコイ核酸医薬はs-オリゴを含んでおり、これが細胞毒性や非特異的な作用と関連することが近年注目され始め、我々はs-オリゴを含まない新規のデコイ核酸医薬として両端にループ構造を有するリボン型デコイ核酸医薬の開発に成功した。 (2)新規リボン型デコイ核酸医薬の合成方法の改良 いろいろと試行錯誤を繰り返し、ある程度の量の核酸医薬の合成が可能になるようなデザイン、ライゲーション方法を確立した。 (3)従来のデコイ核酸医薬との比較検討 理論的にはリボン型デコイ核酸医薬は従来のデコイ核酸医薬より優れていると思われるが、そのことを実際に証明した。酵素あるいは血清に対する耐性の向上、細胞への導入効率の上昇(細胞によっては遺伝子導入方法が必要でない)、転写調節因子への結合能の上昇、遺伝子発現抑制効果の向上、などである。
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Research Products
(6 results)