2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14704041
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
齊藤 源顕 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (60273893)
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Keywords | 膀胱 / 前立腺 / 虚血-再灌流 / real time PCR / HSP70 |
Research Abstract |
膀胱、前立腺の虚血-再潅流障害は、急性尿閉とその解除時に起こることが知られている。HSP70は、障害を受けた組織の修復過程に重要な働きがある。今回、ラット膀胱および前立腺の虚血-再潅流障害時におけるHSP70-1/-2 mRNAおよび蛋白質の発現について若干の知見を得たので報告する。8週齢の雄Wistarラットの大動脈分岐部直上を血管クリップでクランプし、これを解除することで膀胱、前立腺の虚血-再灌流モデルを作製した。ラット膀胱、前立腺の虚血時間を30分、再潅流時間を0、30、60分、1日、7週間とし、それぞれの時間で膀胱、前立腺を摘出した。虚血時間30分、再潅流時間60分の群の作成時にレーザードップラー血流計を用いて前立腺の血流を測定した。各群の摘出した膀胱、前立腺のHSP70-1/-2 mRNAの発現をリアルタイムPCR法を用いて定量した。また、HSP70の蛋白レベルでの発現をELISA法で定量した。ラット膀胱、前立腺の血流量は虚血をかけると約10%まで低下したが、再還流でほぼコントロールのレベルまで戻った。HSP70-1/-2のmRNAの発現は、それぞれ虚血時より有意に増加し再還流60分まで高値をとった。またHSP70の蛋白レベルでの発現は、mRNAの発現に少し遅れて増加した。再還流30,60分後に有意に上昇した。本実験からHSP70の発現は、膀胱、前立腺の虚血-再還流障害より遅れて上昇するが、比較的早期にコントロールレベルに戻ることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Saito, M., Suzuki, H., Yamada, M., Miyagawa, I.: "Preventive effect of long-chain fatty alcohol on ischemia-reperfusion injury in the rat bladder."Eur.J.Pharmacol.. 454. 81-84 (2002)
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[Publications] Saito, M., Tominaga, L., Nanba, E., Miyagawa, I.: "Expression of Heat Shock Protein 70 and its mRNAs during ischemia-reperfusion in the rat prostate."Eur.J.Pharmacol.. 487. 199-203 (2004)
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[Publications] Saito, M., Watanabe, T., Tabuchi, F., Otsubo, K., Miyagawa, I.: "Urodynamic effects and safety of modified intravesical oxybutynin chloride in patients with neurogenic detrusor overactivity : three year experience."Int.J.Urol.. (In press).