2004 Fiscal Year Annual Research Report
接着性ペプチドの応用によるチタンの生体親和性を向上させる薬剤の開発
Project/Area Number |
14704047
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鮎川 保則 九州大学, 大学病院, 講師 (50304697)
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Keywords | チタン / 骨芽細胞 / 接着 / オステオカルシン / オステオポンチン |
Research Abstract |
本研究では、骨や歯肉に対してチタンの生体適合性を向上させる方法を探ることを目的としている。この問題を単純化すると、歯肉や骨の細胞がチタン表面により多く、強固に接着することが重要であり、細胞が基質に接着するときには接着因子たる蛋白質が介在することが重要であるため、チタン上に特定の蛋白質を塗布すれば適合性向上が図れそうだが、アレルギーの問題や、蛋白質が高価であることを考えると、実用ベースにのりにくい。そこでここでは組織-チタン界面に介在が確認された蛋白質の、細胞とチタンに結合する部位のみを取り出した合成ペプチドを作製して実験に用いることとする。また、チタン表面の粗造化等の処理は、骨接触に寄与することが報告されており、チタンの表面処理との関連についても検討する。評価は、細胞接着率、増殖率、骨基質産生量および基質タンパクの産生量を定量的に計測して行う。 まず、表面を鏡面研磨したチタンディスクにオステオカルシン、オステオポンチン、及びそれぞれを1:1混和した物、細胞接着モチーフRGDを有する接着タンパクをコーティングし、骨芽細胞様細胞を播種したところ、以下のような興味深い知見が得られた。 1.オステオポンチンおよび合成ペプチド(細胞接着能有)のコートでは、初期の細胞接着は劣るが、経時的に細胞接着が向上 2.オステオカルシン(細胞接着能未報告)のコートでは、ごく初期の細胞接着が促進されるが、経時的にはオステオポンチンの方が高い接着能を有する 3.混和サンプルでは、それぞれの中間の結果 このように、これまでに報告されていない骨芽細胞様細胞がチタンに接着する際のオステオカルシンの効果が示唆された。また、リアルタイムPCR法により、接着した細胞がオステオカルシン、オステオポンチン(骨芽細胞特異的基質)の産生を強めていることより、実験に供した接着タンパクがチタン上に骨芽細胞を接着させ、さらに基質産生能を高めていることが示唆された。
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