2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14710068
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小林 宏明 金沢大学, 教育学部, 助教授 (50334024)
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Keywords | 吃音 / 構音障害 / 発話特徴 / 幼児 / 非流暢性発話 / 音韻プロセス |
Research Abstract |
本研究の目的は、構音障害を併せ持つ吃音児の発話特徴について、発話の非流暢性、構音、その他の側面について明かすることである。本年度は、当初の実験計画に従い、以下の研究を実施した。 (1)先行研究を参考にし、発話データの収集・記録・分析手続きについての検討を行い、以下のことを決定した。まず、発話データとして自由遊び場面15分と構音検査場面を設定した。また、構音検査として、日本音声言語医学会と日本聴能言語学会編の構音検査絵カードを使用することとした。さらに、分析の観点として、大澤(1995)による音韻プロセス分析法、Conture(1990)に基づく非流暢性発話分析法を採用した。 (2)予備的研究として、構音障害吃音児4名、吃音児4名の計8名に対して、上記に従って、データ収集・記録・分析を実施した。また、対照群として非吃音非構音障害児10名に対しても同様のデータ収集を実施した。これらを分析した結果、(a)構音障害吃音児の構音の誤りパターンが、発達に典型的な誤りパターンが多く見られる、(b)構音障害吃音児と吃音児間に吃音の重症度、非流暢性発話のタイプの相違は見られない、(c)構音障害吃音児と吃音児間にその他の発話特徴の相違は特に見られない、という結果が得られた。 (3)予備的研究の結果を下に、データ収集、記録、分析の再検討を行った。その結果、分析の観点として、認知・言語・運動及び性格傾向などについてのアンケート調査を発話データの収集に合わせて実施することとした。 本年度行った予備的研究は、対象児の総数が少ないことから、結論をのべることは難しいと考えられる。詳細については、次年度以降の研究で明らかにしたいと考えている。
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