2002 Fiscal Year Annual Research Report
環境教育ツールとしての「説得-納得ゲーム」の開発に関する社会心理学的研究
Project/Area Number |
14710078
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
杉浦 淳吉 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (70311719)
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Keywords | 説得納得ゲーム / 教育ゲーム / ゲーミング・シミュレーション / 環境教育 / 説得的コミュニケーション |
Research Abstract |
本研究では,環境教育のツールとして「説得納得ゲーム」という教育ゲームの開発・実践・改良を行った。ゲームの概略としては,以下のとおりである。1)プレーヤーは環境に配慮した消費行動を「アイディアカード」に書き出し,そのアイディアの内容を他のプレーヤーに説明し,さらに実行の「難易度」と多くの消費者が実行した場合の環境配慮の「社会的効果」をプレーヤー同士で評価する。2)プレーヤーを「説得する役割」と「説得される役割」に分け,説得する側は,説得される側に対して,アイディアカードに書かれた内容を実行するように説得する。説得される側は,理由をつけて断る。相手の説得に納得したら,カードに実行を約束する署名をする。3)一定時間で区切り,説得する側と説得される側の役割を交代する。それぞれの役割を2回ずつ経験し,最終的に獲得された署名の数に応じて得点を競う。以上のような,説得的コミュニケーションに関わる諸要素を取り込んだこのゲームは,環境配慮行動の普及をテーマに設定された大学の授業および市民ワークショップにおける6つの運用事例における検討から,ゲームのバリエーションの設定により数人から数十人の単位での教育場面に適用可能であることが示した。また,環境教育に限らず,コミュニケーション教育や専門家教育のためのゲーミングとしての可能性や,研究ツールとしての可能性を検討した。以下の成果は,日本社会心理学会大会第43回大会において発表した後,日本シミュレーション&ゲーミング学会の学会誌の諭文としてまとめた(杉浦,2002,印刷中)。また,説得納得ゲームに対するプレーヤー評価について,1)大学における環境教育,2)現職教員を対象とした研修,3)ゲーミング研究者を対象に行った企画,の3つの事例において検討し,日本グループダイナミックス学会第50回大会において発表した。(777字)
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Research Products
(2 results)