日本の社会集団への外国人参入に伴う関係調整認識及びコミュニケーションストラテジー

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14710088
• Research Institution: Aomori Public College
• Principal Investigator: 山本 志都 青森公立大学, 経営経済学部, 助教授 (30336424)
• Keywords: 異文化コミュニケーション / 対人コミュニケーション / 関係 / 職場 / JETプログラム

Research Abstract

本研究では、「関係」と「コミュニケーション」に焦点をあて、JETプログラム(The Japan Exchange and Teaching Program)の国際交流員(CIR)受け入れ側地方自治体で働く職員(担当者)が、協働に必要な相手との関係調整を行なう上で、コミュニケーションにおける関係調整の認識、促進/阻害要因への認知的準拠枠を特定し、同時に関係調整促進のためのコミュニケーション方略を明らかにしたいという目的がある。以下に平成15年度の本研究の実績と成果を中間報告する。
第一に、昨年度の半構造化面接による調査のデータを整理し、分析を行った。今年度は、分析により抽出した項目を質問紙調査のための質問項目として使用し、量的調査を行いたい。
第二に、昨年度の調査結果と成果(論文)をもとに、CIRと担当者を対象とした体験学習法による研修プログラムを構成し、それを実施して、教育効果を検証する調査を行った。これは高知県のJETプログラム取りまとめである県庁国際課による主催で行われ、6時間程度の研修をCIRと担当者を対象に1日行った。研修プログラムの各アクティビティごとに直後に自由記述方式によりCIRと担当者に記入してもらいデータを収集した。今年度はデータ分析を行い、結果を成果として発表する予定である。
全体を通しては、引き続き本究における問題を分析・解釈・理解していく上で重要な理論や概念を、文献・資料の収集や、関連分野の専門家とのディスカッションを通じて検討した。理論的枠組みを継続的に構築するため今後もこの作業も行ないたい。
成果発表については、平成15年度は学会での発表を下記の通り2件行った。
1)2003年度異文化コミュニケーション学会全国大会。発表論題「地方自治体職員とJETプログラム国際交流員の関係及びコミュニケーションに関わる認知的研究」。
2)2003年度異文化間教育学会全国大会 大会シンポジウム統一論題「異文化間能力の育成を考える:多文化共生社会へ向けて」。発表論題:「異文化間関係に必要な能力とは:JETプログラム国際交流員担当者への調査から」。