2003 Fiscal Year Annual Research Report
メディアが情報環境の多様性に及ぼす影響に関する複合的研究
Project/Area Number |
14710104
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
柴内 康文 同志社大学, 文学部, 助教授 (60319457)
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Keywords | マスメディア / インターネット / 社会的ネットワーク / 多様性 / シミュレーション / 社会調査 |
Research Abstract |
本研究は、これまで社会心理学等において局所的相互作用を前提に検討されてきた集団過程、文化、流行、普及など諸現象の(創発)過程に、メディアが可能にする遠隔他者とのコミュニケーションの導入がどのような影響を与えるかを、適応エージェントシステムに基づくコンピュータシミュレーションを利用してモデル化し、情報技術が社会、文化に対して長期的に果たしうる役割について考察するものである。平成15年度は、シミュレーションモデルに与えるパラメータを、ランダム値、もしくは固定値として単純に投入するのではなく、現実社会における実態と相互規定関係をふまえたものにすることを目指した。具体的には、テレビ等を中心としたマスメディア接触、インターネット等のコミュニケーションメディア利用、社会的ネットワークの規模とローカルなコミュニケーション量等の諸変数に関して、その記述統計量及び分布、相関関係と規定要因についての基本データを得ることを目的として、「日本人の民主主義観と社会資本に関する調査」(2000)をはじめとした既存の大規模公開データの分析を行い、これらのパラメータ群のコンピュータシミュレーションにおける投入方法についての検討および試行を行った。また、上記データ分析において不十分なデータについて独自に補完するため、国内K市において、データ分析選挙人名簿を台帳としたサンプリング調査を企画し、標本抽出計画と調査票策定等の実査準備を完了させた。
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