2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14710110
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Research Institution | Ube Frontier University |
Principal Investigator |
西田 豊昭 宇部フロンティア大学, 人間社会学部, 助教授 (50342316)
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Keywords | 項目反応理論(IRT) / 多面評価 / コンピテンシー / 人事測定 / 能力開発 / 適性検査 |
Research Abstract |
本年度は、実際のインタビューと、企業から提供していただいたデータに基づき作成された"段階反応モデルによる評定フォーマット"の分析を行い、さらに、リッカートスケールによる行動評価項目の作成を行った。収集されたデータは、項目反応理論に基づき、それぞれの項目バイアスの測定とDIF分析が行われた。つまり、得られた多面評価データ(上司、本人、同僚による評価)に基づき、どの項目にどのようなバイアスが生じやすいかという、項目レベル、尺度レベルの分析を行い、その結果に基づき、さらに評価項目の修正を行った。分析の結果、複数の評価者による多面評価を実施した場合、上司や自己評価に比べ、同僚の評価は甘くなる傾向があり、項目レベルでもバイアスが生じやすいということと、目で見える行動項目よりも、個人の意見や考えといった無形のものに対する評価においてバイアスが生じやすいということが発見された。 次年度は、さらに測定項目の精緻化を試み、さらに、新たなスケールの標準化を進めていく予定である。そのためには、再度、実際の職場でトライアルの実施可能な企業を見つけ出し、測定を行う必要がある。現在、協力企業と、交渉、打ち合わせ中である。また、最終的には、過去の人事データや業績データを用い、作成された評定フォーマットの妥当性について検証していきたいと考えている。その他、人事の採用テストで使用される適性検査のデータに関しても、項目反応理論に基づき、日米のデータを使用して、翻訳等価性の分析を行っていきたい。
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