2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14710113
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Research Institution | Oita Prefectual College of Arts and Culture |
Principal Investigator |
藤田 文 大分県立芸術文化短期大学, コミュニケーション学科, 助教授 (50300489)
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Keywords | 仲間関係 / 幼児期 / 三者関係 / 協力行動 / パズル課題 / 社会性発達 |
Research Abstract |
本年度の目的は、パズル遊ぴ場面の幼児の仲間関係特に三者関係において、自己と他者の関係をいかに調整して協力的な仲間関係を形成していくのかその発達過程について検討することだった。 被験者は保育園の3歳児27名、4歳児42名、5歳児45名の計114名だった。課題は、対象年齢が3歳以上の市販のパズル(30ピース)を使用した。手続きは、まず保育園のクラス担任の協力を得て、被験者を同クラス同性同年齢の三人組にした。そして保育園の一室で三人組でパズル遊びをしてもらった。三人の遊びの様子を12分間ビデオテープに録画した。 ビデオ録画された被験者の行動を詳細に分析した。その結果、協力形態に「単独型」「2対1(リーダー)型」「2対1(仲間はずれ)型」「三人協力型」「混合型」の5種類が見出された。各協力形態での発話の質と、相互交渉のエピソード分析を行った結果、3歳児では関わりが少ない「単独型」が多かった。4歳児では、指示・要求・提案などの言語的関わりが増加し「2対1(リーダー)型」が多かった。また、3人で1つの場を共有し、行動的関わりが増加して「3人協力型」が多かった。それが5歳児では、役割分担して個人の能力を生かす「混合型」が多く見られた。つまり、各自ができることを実行し、最終的に成果を合わせて課題を効率的な協力を重視するようになると考えられる。しかし、その一方で「2対1(仲間はずれ)型」が増加した。仲間はずれの子が働きかけても拒否される場面が観察された。2人で作ったものは2人だけのもので、他者を関わらせたくないという2者関係の閉鎖性が生じて、加齢とともに3人協力が困難になることが示唆された。 この成果は、日本発達心理学会第14回大会において発表された。
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Research Products
(2 results)