2002 Fiscal Year Annual Research Report
学習障害児等の個別の指導計画作成支援マニュアルの開発に関する研究
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14710118
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Research Institution | The National Institute of Special Education |
Principal Investigator |
海津 亜希子 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 病弱教育研究部, 研究員 (00342957)
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Keywords | 学習障害(LD) / 個別の指導計画 / チェックリスト / コンサルテーション / 通常の学級 / アセスメント / 学力のつまずき / 認知能力特性 |
Research Abstract |
学習障害児等を対象にした個別の指導計画を作成して久しい,熟練した指導者に対してのアンケート調査,および聞き取り調査を実施した.その際の観点として,「実態把握」「目標の設定」「指導計画の作成」「指導の展開」「評価」といった一定の枠を設け,各段階ごとの配慮点を聞き取った.そうすることで,「個別の指導計画」を作成する際に,どのような点を配慮していけばよいか,どのような点をもり込まなければならないか等の項目を具体的に抽出・整理することができた.(各段階ごとに5〜10項目を抽出した) また,本研究に関わる内外の文献を収集し,文献研究を行った.その結果,個別の指導計画と内容的に類似しているIEP (Individualized Education Program)から出発したが,読み進めていくうちに,実態把握(Assessment)や評価(Evaluation)のあり方,コンサルテーション(Consultation)等とも包括的に絡んでいること,そして,その図式が明確になった.これらはマニュアルを作成する際の基となる理論的モデルに示唆を与えるものと思われる. さらに,今まで個別の指導計画を作成したことのない通常の学級の担任教師に,個別の指導計画の作成に関して聞き取り調査を行うことができ,通常の学級の中で個別の指導計画を作成していく際の留意点が明確になった.学習障害児等は,一人一人異なる状態像を示すこと,主に通常の学級の中で学校生活を送ること等を考えると,今後,通常の学級の中で個別の指導計画を立案することでもたらされる効果を研究することは有意義であると思われる.その第一歩として,この聞き取り調査により,通常の学級において,どのような形であれば個別の指導計画の導入が可能であるかについての示唆が得られた.
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