2003 Fiscal Year Annual Research Report
学習障害児等の個別の指導計画作成支援マニュアルの開発に関する研究
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14710118
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Research Institution | The National Institute of Special Education |
Principal Investigator |
海津 亜希子 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 病弱教育研究部, 研究員 (00342957)
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Keywords | 学習障害(LD) / 個別の指導計画 / チェックリスト / コンサルテーション / 通常の学級 / アセスメント / 学力のつまずき / 認知能力特性 |
Research Abstract |
今年度は,昨年度行った調査結果をもとに「実態把握」「目標の設定」「指導計画の作成」「指導の展開」「評価」領域(各5〜10項目,合計36項目)からなるチェックリストを作成した.このチェックリストは,領域ごとに,どのような点を配慮しているかを「とても意識する」〜「ほとんど意識しない」の4件法で問うものである.これを通常の学級,通級指導教室,特殊学級,養護学校,民間の指導機関の教師・指導者359名に対し実施した.このデータを分析し,個別の指導計画を作成する際,どのような点を配慮するかということに関して,指導の場によって違いがあるか,また,指導歴について意識に差はあるかを調べた.その結果,指導経験の少ない者に対しては,特に体系的なプログラムの重要性が示唆された.一方で,「子どもの強い力を利用できているか」等,いくつかの項目については,経験にかかわらず意識が向きにくいという結果が得られた.これらの項目については,指導歴にかかわらず,全体的に意識を促す必要があることが明らかになった. また,実際に,従来,個別の指導計画を作成したことのない通常の学級の教師や,個別の指導計画を作成した経験はあるが,LD児を対象にした指導計画作成は初めての教師等,さまざまな被験者に対し,個別の指導計画作成に関して教師支援を行った.この実践研究を通して,個別の指導計画作成に関する教師支援の在り方や有効性についての知見を得た.
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