2003 Fiscal Year Annual Research Report
占い依頼者の属性・相談内容・問題(不安)処理方法についての社会学的研究
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14710162
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
種田 博之 産業医科大学, 医学部, 講師 (80330976)
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Keywords | 占い / セルフモニタリング / 心理学化 / 不安処理 |
Research Abstract |
占いの需要ないし受容のあり方を、大学生や占いの依頼者(客)などの一般の人々への聞き取り調査から考察した(占い関係者への聞き取りも補完のために行なっている)。今回の調査はあくまでもケーススタディであり、一般化には留意を必要とする。今日、様々な媒体で占いは供給されているが、今回の調査では対象者のほとんどがテレビの朝の情報番組による占いを見ていると語っている。その受容のされ方は、対象者は「占い」というよりも日々の「習慣」として見ている(「占い」を知るためというよりも、家をでる「きっかけ」として利用している)。あるいは、情報番組の占いは対人関係への注意を語る内容が多いためか(これについては現在資料収集中)、一日の自分の行為に関しての指針として、対人関係のトラブルへの備えとして、自分の意識(心理状況)や行為をモニタリングし、生活(今日一日)をリズム化するために、占いを活用していると語る対象者も多く見ることができた。こうした対象者の語りを通して、朝の出かけに対人関係についての情報がこめられた占いを見るという行為に、ある社会学的な機能を見出すことができる。対人関係は不確定性をおび、自分のもしくは他者の何気ない行為によって破綻する可能性を秘めている。不確定な対人関係に関しての情報がこめられている占いを朝の出かけに習慣として見るという行為は、対人関係によって成り立つ社会生活に対する「(漠然とした)不安」を弱める機能をはたしている。言い換えれば、朝、占いを見るという行為は社会生活-「今日」を始めるための必要不可欠な「儀式」として、位置づけることができる。このような占いの受容のあり方がはたして今日特有のものかどうかについては、占いの受容についての歴史をふくめて、さらなる調査を必要とする。
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