2002 Fiscal Year Annual Research Report
在日日系ブラジル人子弟のエスニック・アイデンティティの形成過程
Project/Area Number |
14710163
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Research Institution | The International University of Kagoshima |
Principal Investigator |
イシカワ エウニセ アケミ 鹿児島国際大学, 国際文化学部, 助教授 (60331170)
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Keywords | 日系ブラジル人 / 国際移動 / 外国人子弟の教育 / 移民政策 |
Research Abstract |
本年度は日本国内(神奈川県、愛知県、静岡県、大阪府、<3回>)及びブラジル(サンパウロ州、パラナ州、<一回>)でフィールド調査を実施した。また、2002年7月にブリスベン(オーストラリア)で開かれたISA国際社会学会にて本研究の中間報告発表を行った。 国内調査に関しては、在日日系ブラジル人子弟とその家族を対象に直接面接を行った.ブラジルでは日本からブラジルへ帰国した日系人の家族を対象にインタビュー調査を行った。 本調査では学齢期の子供がいる家族に調査対象を絞り、子供達がブラジル及び日本における学校への適応について話をうかがった。今回の調査で明らかになったことは、子供は日本の学校における適応(言葉、習慣、文化)と同じくらい、場合によりそれ以上の困難に直面することであった。それは、まず両国の教育制度の違い(たとえばブラジルでは落第制をとる学校が多い、主に私立学校)、母国語である筈のポルトガル語の不自由さ、そして親の生活基盤の不安定さが子供達に直接影響を与えるのである。また、日本で生まれ育った子供の場合は、直面する問題はなお大きい。そのなかで、子供達はブラジル社会に再適応しようと必死に努力している。 ブリスベンでは、第XV国際社会学会に参加し、研究発表を行った。研究発表題目は"Migration Policies versus Social Reality-Migration movement from Brazil to Japan"(移民政策と社会実態-ブラジルと日本における人々の移動)であった。本報告では日本及びブラジルの移民政策を紹介し、その中でブラジルから日本への移動形態、また移動の動機に焦点を当て発表した。そして、両国の公の移民政策とはある意味では無関係に人々の国際移動が行われており、受入国(日本)と送出国(ブラジル)における社会的状況を紹介し、その中の移住者の家族形成、そして子供達の問題点に焦点を当てた。
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Research Products
(1 results)