2002 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの学校教育経験と社会化プロセスに関する社会学的研究
Project/Area Number |
14710174
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
金子 真理子 東京学芸大学, 教員養成カリキュラム開発研究センター, 専任講師 (70334464)
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Keywords | 評価 / 小学校 / 中学校 / 社会化 / 教育改革 |
Research Abstract |
1.生徒の追跡インタビュー調査 申請者はすでに、小学校で数年前に実施したエスノグラフィーに基づき、教室での多様な授業・多面的な評価と、生徒の行動戦略の分化との関連を分析している。現在、当時小学生だったインフォーマントの生徒たち(28名)は、高校生に成長しており、今年度は高校卒業を目前とした彼らのうち9名にインタビュー調査を実施した。彼らは、小学校から中学・高校へのトランジッションを経て、カリキュラムや評価システムのギャップをどのように経験しているだろうか。この時、小学校でそれぞれが身につけた行動戦略、および教師との関係の取り結び方や物事への取り組み方は、どのように残り、いかなる変容を遂げるのか。さらにはこのことが学校適応や進路選択にいかなる影響を及ぼすのか。現在、以上の点からの分析をすすめている。 2.小・中学校教師に対するインタビュー調査 2002年の小・中学校の指導要録の改訂を契機に、今まさに過渡期にある中学校における評価行為に着目することによって、社会・政治的力学が作用する教育改革の実施過程を解明し、その帰結を分析した。そもそも評価という行為は、教育行為の中でもすぐれて社会的な行為である。生徒は、学校における評価のプロセスや意味をそれぞれの立場から洞察し、教師との関係や教室内での自らの行動を変えていく。こうした過程はまさに、「社会化過程」や「日常的な選抜過程」そのものでもある。それ自体、社会的・政治的に規制されている教師の評価行為が、今度は教室空間の中で、生徒を巻き込み、生徒の行動や能力の育成をある方向性にコントロールしていく可能性について検討を加えた。詳細な結果については、『教育社会学研究』72集(2003年5月近刊)にまとめている。
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Research Products
(1 results)