2002 Fiscal Year Annual Research Report
生涯学習系センター設置大学の大学開放事業経営システムの整備に関する研究
Project/Area Number |
14710192
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
岡田 正彦 大分大学, 生涯学習教育研究センター, 助教授 (30284136)
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Keywords | 大学開放事業 / 生涯学習系センター / 連携 / 事業経営 / 重点化 |
Research Abstract |
本年度は、大学開放事業の経営に関する基礎文献を収集し、国内の生涯学習系センター設置大学の大学開放事業に関する調査を実施するための予備調査および大学開放の先進国であるアメリカの大学開放事業に関する聞き取り調査を行った。 今年度の研究実績は以下の点である。 まず、大学開放事業経営において生涯学習系センターのおかれた状況について示唆が得られた。従来から、大学開放事業は主として学部を基本単位として経営されてきており、大学全体としての計画や評価については不十分であった。生涯学習系センターは学内共同教育研究施設として設置されているが、大学開放事業を有効に経営していくためのコーディネートを行う上ではこのような学部単位を基礎とした大学開放事業経営のシステムが障壁になっている側面がある。この点については、来年度に全国的状況を明らかにするための本調査を実施する予定である。 次に、大学開放事業を行う上での学内的・学外的連携の状況について予備的考察を行うことができた。生涯学習系センターは、学内的連携を推進することで、学際的・学部横断的学習プログラムの開発・提供を行うことが求められているが、この点に関しては必ずしも十分な連携体制が整備されているわけではない。また、従来ややもすると提供者側の論理によって構成されていた大学開放事業を地域住民のニーズに応じて最適化していくためには学外の諸機関・グループ・個人等との連携が不可欠であるが、この点に関しても残された課題は多い。この面に関しては、海外調査を実施したジョージア大学・シカゴ大学でもある程度類似した状況がみられた。 3点目として、今後の大学開放事業の展望についていくつかの事例を検討することができた。大学開放事業の対象とする内容は多様であり、生涯学習系センターが重点課題と捉える領域にもかなりの差異があることがうかがえた。この点については来年度の研究の中でさらに詳細に検討する。
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