2002 Fiscal Year Annual Research Report
インドネシアにおける女子の就学とイスラームのジェンダー解釈の相関性に関する研究
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14710200
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Research Institution | Gifu Shotoku Gakuen University |
Principal Investigator |
服部 美奈 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 助教授 (30298442)
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Keywords | 女子教育 / インドネシア / ジェンダー / イスラーム / 教育普及 / 比較教育学 / 教育人類学 |
Research Abstract |
初年度にあたる平成14年度は、インドネシアにおける女子の就学とイスラームのジェンダー解釈の相関性を解明する第一段階として、主として文献によるデータ収集とインドネシアにおけるフィールド予備調査を実施した。具体的には、第一にインドネシアにおける女子の就学の現状と傾向について、インドネシア国内の統計資料を用いて地域別に考察した。また、他の東南アジア、中東イスラーム文化圏との比較考察をし、女子の就学に関わる問題群を抽出した。第二に、女子の就学に問題をもつ地域について、国民教育省および州国民教育局における聞き取り調査と、村落レベルでフィールド予備調査を実施した。フィールド予備調査においてはイスラームによるジェンダー解釈が女子の就学に与える影響について、当事者や保護者、イスラーム指導者に対する聞き取り調査や参与観察から実証的に明らかにするための予備調査を行った。以下、より詳細を述べる。 1.女子の就学に関する問題の検討 (1)ユネスコ、ユニセフをはじめとする国際機関の教育調査を中心に、女子の就学の統計的実態を把握するとともに女子の就学に関わる問題群を抽出した。 (2)女子の就学問題についての基礎的データ資料を作成した。 2.海外フィールド予備調査(2002年9月4日-25日) (1)インドネシア国内の統計資料をもとに、州、県、郡単位で女子の就学の現状を分析した。 (2)フィールド候補地としてスラウェシ州マカッサル周辺、東ジャワ州スラバヤ周辺、中部ジャワ州ジョグジャカルタ周辺を設定し、女子の就学が問題となっている地域について、イスラームの傾向、ドロップアウトの要因や、女性・家族の就労形態を含め、地域の概観を把握するためのフィールド予備調査を実施した。 なお、研究成果は2003年7月にインドネシアで開催される国際学会The 4^<th> Comparative Edncation Scciety of Asia (CESA) Biennial Conference 2003で発表する計画である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 服部 美奈: "宗教に基礎をおくインドネシアの幼児教育"教育と医学(慶應義塾大学出版会). 第51巻2号. 33-39 (2003)
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[Publications] 服部 美奈: "蘭領東インド期西スマトラ州のジャウィ文書"上智アジア学(上智大学アジア文化研究所). 第20号(2002年)(印刷中). (2003)
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[Publications] 服部 美奈: "インドネシアの近代女子教育-イスラーム改革運動のなかの女性-"勁草書房. 379 (2001)