2002 Fiscal Year Annual Research Report
「指導力不足教員」に対するソーシャルサポート体制の構築に関する研究
Project/Area Number |
14710208
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Research Institution | Sanyo Gakuen Junior College |
Principal Investigator |
諏訪 英広 山陽学園短期大学, その他, 専任講師 (80300440)
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Keywords | 指導力不足教員 / ソーシャルサポート / 排除化 / 処遇システム / 研修システム / 差別化 |
Research Abstract |
1.本年度の研究実績(出版物:中国四国教育学会研究紀要)の概要を示す。 まず、不適格教員(※「指導力不足教員」は比較的新しい用語であり、従来までは「不適格教員」概念が一般的であった)の処遇に関する法制化・改正及び主要審議会答申等を歴史的に整理し、傾向性を分析した。その結果、臨時教育審議会第2次答申「教育改革に関する第2次答申」(昭和61年4月)において、「『適格性を欠く教員への対応』を放置できない課題として、『適切な分限処分等の措置』の必要性が提言されて以降、この問題は教育改革の要諦の一つとして認識が高まったことが明らかになった。特に、平成10年度以降は毎年のように、当該教員の分限や配置転換を促す答申が出され、それを制度化する法改正がなされた。一方で、各自治体は、上記の国家レベルの変革動向に沿って、「指導力不足教員」問題への対応に関する研究会を立ち上げ、報告書の提出を行ってきている。いくつかの自治体は平成14年度からすでに処遇・研修システムを稼動させており、多くの自治体が追随姿勢を見せている。これらの動向には、「指導力不足教員」概念の曖昧さや認定評価者(多くは校長)の評価能力の問題等に起因する教員の差別化・不平等化・多忙化を引き起こす懸念等多くの課題がある。 さらに、先行研究の整理から、「指導力不足教員」間題に対しては「排除の論理」ではなく「サポート」の論理からのアプローチが有効であることを指摘し、今後の研究の方向性を提示した。 2.出版物以外の研究実績の概要を示す。 「指導力不足教員」問題に関する自治体研究会の元参画者及び現役学校教員の方々に対するインタビュー調査を実施した。さらに、平成15年度実施の質問紙調査票作成に向けて、社会心理学領域における「ソーシャルサポート」研究の動向を整理・分析した
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Research Products
(1 results)