2002 Fiscal Year Annual Research Report
強制移住後半世気を経た民族集団の生活戦略に関する人類学的研究
Project/Area Number |
14710217
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
風間 計博 筑波大学, 歴史・人類学系, 助教授 (70323219)
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Keywords | エスニック集団 / 強制移住 / ディアスポラ / フィジー / ランビ島 / バナバ人 / 土地権 / リン鉱石採掘 |
Research Abstract |
バナバ島(現キリバス共和国)における燐鉱石採掘の進展および第二次世界大戦中の日本軍侵攻により、島住民は故郷の島からタラワ環礁、コシャエ、ナウルへ強制的に退去させられた。大戦終結後の1945年12月、住民はタラワに集められた後、故郷のバナバ島に帰還することなく、現フィジー諸島共和国のランビ島へ半強制的に移住させられた。 移住後半世紀以上を経た現在における人々の生活状況を把握すべく、2002年7月15日から8月10日までランビ島で実地調査を行った。ランビ島は、バナバ人の島政府が統治している。フィジー国内であるにもかかわらず、バナバ人および親族のキリバス人が人口の95%を占め、人々はキリバス語を母語にしている。隆起珊瑚島のバナバ島とは自然環境の異なる火山島のランビにおいて、人々はフィジー人から生業様式を取り入れ、自給用のキャッサバやヤムイモ、換金作物のカヴァを栽培している。 現在、経済的困窮化によりインフラストラクチャー等については、フィジー政府への依存が高まっている。しかしながら、人々はバナバ人としての帰属意識を強固に保ち続け、毎年12月にはランビ島上陸記念の饗宴が大規模に催されている。加えて国境を隔てたバナバ島への帰還を強く主張していることがランビ在住バナバ人へのインタビューにより明らかになった。
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