2003 Fiscal Year Annual Research Report
近世イギリスにおける外国人の流入と帰化法制定からみた移民政策・国民意識
Project/Area Number |
14710261
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中川 順子 熊本大学, 文学部, 講師 (00324731)
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Keywords | イギリス史 / 近世 / 移民史 / 国民意識 / 帰化法 / ホスピタリティ / ユグノー |
Research Abstract |
平成15年度においては、前年度から進めている作業(17世紀、18世紀の帰化ならびに国籍付与取得者の実態を明らかにするべく、すでに現在一部実施している史料(Letters of Denization and Acts of Naturalization…)の解読とそのデーターベース化を継続的に実施した。 データー処理と同時に、イギリス議会の議会史料(両院議事録や審議録)とその関連図書、一般帰化法制定にかかる議論に関する文献・史料、ユグノー関係の文献・史料の収集を英国のユグノー・ソサイエティや大英図書館、IHRなどで行い、これまでの文献・史料に加えて、新たに収集した文献・史料の整理・精読を進めた。本年度はユグノーだけではなく、ドイツ系移民やユダヤ人移民についても広く文献・史料収集を行った。また、グローバルな視点から帰化法の問題を考察するべく、イングランド以外のアイルランドや北米植民地における帰化との比較研究の準備も進めた。 本年度は、帰化法制定や移民政策(とくに移民支援政策)において、重要な対象となる18世紀初頭イングランドに到来したパラティン移民に着目し、移民の国際移動の問題と関連させつつ、イギリス側の外国人支援のありかたについて重点的に研究を進めた。現在、パラティン移民に関する研究はまだ途上であるが、その成果の一部が2004年度中にも川北稔・藤川隆男編著『空間のイギリス史(仮題)』の所収論文として発表される予定である。 昨年度から継続して行っている、外国人へ慈善政策とナショナル・アイデンティティをめぐる問題についても、継続して研究を行った。ホスピタリティに関わる問題についてはその成果の一部を年度内に学会(九州西洋史学会)で報告した。
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Research Products
(1 results)