2004 Fiscal Year Annual Research Report
白居易文学の特質「多情性」を支えた中唐の美意識「風流」の研究
Project/Area Number |
14710318
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
諸田 龍美 愛媛大学, 法文学部, 助教授 (20304701)
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Keywords | 白居易 / 趙令畤 / 中唐 / 北宋 / 商調蝶恋花詞 / 長恨歌 / 鴬鴬伝 / 風流の美意識 |
Research Abstract |
北宋の文人・趙令畤の手になる「商調蝶恋花詞」は、唐代「鴬鴬伝」の恋愛故事が元雑劇の王実甫作『西廂記』として大成されるに至る、所謂「西廂故事」の変遷史においてしばしば言及される重要な作品である。にもかかわらず、日本においても中国においても、その専論と呼べる研究は極めてわずかであり、その正確な訳注も存在していなかった。そこで、研究代表者は、当年度において「商調蝶恋花詞」の詳細な訳注稿を完成させ、その前半部「「元微之崔鴬鴬商調蝶恋花詞」訳注(上)」を『愛媛大学法文学部論集』(人文学科編第17号)に、続編となる「「元微之崔鴬鴬商調蝶恋花詞」訳注(下)」を、『愛媛大学法文学部論集』(人文学科編第18号)に発表した。 また、平成16年8月に中国・南京市で開催された「中国古代文学文献学国際学術研討会」において「趙令畤《商調蝶恋花詞》主題与北宋"風流"」と題する口頭発を行い、該作の主題に関する従来の通説には重大な誤りがあり、白居易の「長恨歌」や、「風流」の美意識との関わりにおいて考察してこそ、はじめて真正な主題を理解できることを明らかにした。さらに、平成16年10月に台湾の国立雲林科技大学で開催された「漢学研究国際学術研討会」において「"風流才子文學"的視角-中唐與北宋」と題する口頭発表を行い、中唐から北宋の文学において美意識「風流」の視点から考察することの重要性を明らかにした。
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Research Products
(2 results)