2003 Fiscal Year Annual Research Report
米国社会とその文学におけるジュンダー教育とアイデンティティ研究
Project/Area Number |
14710327
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
久保 拓也 金沢大学, 教育学部, 助教授 (80303246)
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Keywords | アメリカ文学 / 男性学 / ジェンダー / ジェンダー教育 / 男性化教育 / ジェンダー・アイデンティティ / 19世紀アメリカ |
Research Abstract |
平成14-16年度の科学研究費補助金により、報告者はアメリカ社会、及びその文学作品において提示される、いわゆる「ジェンダー教育」について、中でも、「少年」を所属社会へ貢献する理想的な「男性」へと作り上げるシステムである「男性化教育」が、個人のアイデンティティ形成にどのような影響を与えるかについて研究を継続中である。今年度は、調査の中心を主に19世紀末から20世紀初頭におけるアメリカの「必ず失敗する男性化教育」の諸状況へと展開し、歴史学、文学、ジェンダー学の立場から資料を収集し積極的に調査した。その研究成果は来年度に発行される学術誌へ投稿を準備中である。 また、この研究の最終的な成果は、2005年に北海学園大学にて開催される、日本アメリカ文学会全国大会におけるシンポジウム『アメリカ文学における「男らしさ」の系譜:19世紀と20世紀』において発表されることが既に決定している。これは文学及び社会学の観点からジェンダー学を展開する4名の研究者が最先端の研究報告を行う場となる。このように、アメリカ文学における最大の学会で発表するという機会を与えられたことは、この研究が多大な関心を集めていることを示すものである。また、現在、報告者は海外において発行されている学術雑誌への研究論文投稿をめざして鋭意研究をつづけている。 また、今年度においても表記の研究課題に関して、多数の団体や地方公共団体からの講演依頼やフォーラムのパネリストとしての出席依頼が寄せられたことは、この研究が現代の日本社会をめぐる諸問題を検討する場合にも大変有効であり、進展が強く求められていることを感じさせることを。
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