2004 Fiscal Year Annual Research Report
認知言語学における動的用法基盤モデルの通時的言語変化と言語習得論への応用
Project/Area Number |
14710336
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Research Institution | Osaka University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
早瀬 尚子 大阪外国語大学, 外国語学部, 助教授 (00263179)
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Keywords | コピュラ / 形容詞 / カテゴリー / 構文 / コーパス / 用法基盤 / Usage-Basaed |
Research Abstract |
本年度の成果はコーパス利用による動的カテゴリー論の事例研究を行ったことと、言語習得に関わる過去の研究、特に近年認知言語学の分野で頭角を現しているTomaselloの一連の研究を追い、その意義を検討・評価することの2面に集約される。 まず、英語のコピュラ文の意味と成立に関し、その中でもよく用いられる姿勢維持動詞(sit, stand, lie)の例の使用実態を、現時点での大規模コーパスとして定評のあるBNC(British National Corpus)コーパスを通じて検討し、量的な側面からのサポートを得た。特に、副詞を用いるのが規範文法的に正しいとされる表現において、形容詞を用いている場面文脈を検討することで、姿勢維持動詞の意味がより静的な読みを強く出し、コピュラ的な連結用法に近くなっていると言えることを導き出すことができた。その成果の一部は第24回英語コーパス学会(於日本大学2004年10月2日)のシンポジウムにて発表(コーパスと認知言語学-英語における姿勢維持動詞の意味と構文の発展について)した。この研究に関しては通時的な発展も含め、引き続き研究を続ける予定である。 また、言語習得の文献に関して広く概観し、認知言語学との関わりについて検討した。その成果の一部は研究社出版『認知文法の新展開-カテゴリー化と用法基盤モデル』(共著)にて、2005年度中に公表発表する予定である。
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Research Products
(2 results)