2002 Fiscal Year Annual Research Report
統語処理の偏向における個人差を生み出す諸要因についての検討
Project/Area Number |
14710369
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
広瀬 友紀 電気通信大学, 電気通信学部, 講師 (50322095)
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Keywords | 文理解(文処理) / 日本語 / ガーデンパス / 韻律情報 / ワーキングメモリ / 再解釈 |
Research Abstract |
1.研究の遂行 今年度は、以下の2点について、学部学生の協力を得て、予備段階の調査・実験を行った。 1)関係節境界曖昧文の処理傾向と、個人のワーキングメモリ容量および語彙力の関係 2)付加詞接続に関する曖昧文の処理傾向と、個人の言語バックグラウンドの関係 1)については、質問紙調査(不完全文完成課題・百羅漢)およびリーディングスパンテストで同一の被験者グループからデータを収集している。データ収集は翌年も継続して行い、分析をする予定である。 2)については、本学学部学生および東京外国語大学・上智大学の学生の協力を得て、異なる言語バックグラウンド・英語運用能力を有する学生のグループを対象に、英語付加詞(前置詞句・関係節)の接続に関する曖昧性を有する文の理解調査とを行った。この結果、外国語である英語の処理において、単なる読解力、理解度の差のみならず、その処理偏向において、母語における処理傾向の影響がみられることが示唆された。 2.研究発表およびレビュー これまで蓄積してきた当該研究の基礎となる研究について、8月にニューヨーク市立大学のJanet Fodor教授のレビューを受けた。また、6月には日本認知科学会・11月には米国にて開催されたJapanese and Korean Linguistics Conferenceで講演を行い、国内外の研究者からのフィードバックを得、また今後の研究の参考となる情報交換を行った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hirose, Yuki: "Recycling Prosodic Boundaries"Journal of Psycholinguistic Research. 32,2(予定). 167-195 (2003)
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[Publications] Hirose, Yuki: "Resolution of Reanalysis Ambiguity in Japanese Relative Clauses : Early Use of Thematic Compatibility Information and Incremental Processing"Nakayama, M. (ed.) Sentence Processing in East Asian Languages. Stanford : CSLI Publications. 31-52 (2002)