2004 Fiscal Year Annual Research Report
中国積石山地域の消滅の危機に瀕した言語、保安語の調査研究
Project/Area Number |
14710374
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐藤 暢治 広島大学, 大学院・教育学研究科, 講師 (90263657)
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Keywords | 危機言語 / 保安語 / モンゴル系言語 |
Research Abstract |
本研究の目的は、中国の甘粛省臨夏回族自治州積石山保安族東郷族撤拉族自治県大河家鎮甘河灘村と大〓村、劉集郷高李村と肖家村、劉溝郷斜套村等に居住している保安族16,505人(2000年)が話しているモンゴル系の言語、保安語積石山方言を危機言語の観点からフィールド調査を行ったうえで、その調査結果を公刊することにある。それぞれの村で話されている保安語は村の名前にちなみ、甘河灘保安語、大〓保安語、高李保安語、肖家保安語、斜套保安語と呼ばれている。しかし、これらは、言語資料が乏しいことに加え、近年若年層を中心に漢語化が著しい。そのため、遅かれ早かれ消滅の可能性がある言語として、今、詳細な調査が求められている。 本年度おこなった主な研究は、下記のとおりである。 1.8月に現地調査をおこない、大〓保安語の基礎語彙と民話、甘河灘保安語と肖家保安語と斜套保安語村の基礎語彙と基礎会話を採集。 2.大〓保安語の民話など3編が収めた『大〓保安語のテキスト/大〓保安活〓料』の公刊。 3.音声資料<<大〓保安話語材>>(CD版)の作成。 4.<<大〓保安活〓材料-変化后的"toligaga">>の公刊。 5.首都師範大学第二届外国語言学及応用言語学国際検討会(於北京首都師範大学2004年9月17・18日)において、『保安語への取り組み-私の体験から-』という講演発表。 6.現地調査からわかったことを一般向けに紹介した「保安族を訪ねて」の連載。
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Research Products
(7 results)