2002 Fiscal Year Annual Research Report
クルフ語文法の記述的研究と北ドラヴィダ語派諸言語との比較
Project/Area Number |
14710379
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Research Institution | Hakuoh University |
Principal Investigator |
小林 正人 白鴎大学, 経営学部, 講師 (90337410)
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Keywords | Kurux / Oraon / Mundari / Kherwarian / Dravidian |
Research Abstract |
本年度の5月から7月まではクルフ語とオラオン族についての資料を収集し、そのうち著作権が切れていて入手困難なものの一部を電子化した。8月は南アジア情勢の悪化のため、予定していた現地調査を延期せざるを得なかった。1月から3月にかけてインド・ジャールカンド州のラーンチー市を中心として同州ラーンチー県、ロハルダガ県、西ベンガル州カルカッタ市で現地調査を行った。オラオン族のインフォーマントからクルフ語基礎語彙の採集と録音、および言語サンプルのビデオ録画を行った。現在は録音データの書き起こしの作業を行いながら、同時に方言的要素が存在しないか現在調査中である。またオラオン族の中にオーストロアジア語族ケルワル語派のムンダ語に近い言語を話す人が多いことを知り、ラーンチー大学部族地域言語学科と共同でオラオン人の話すケラ・ムンダ語にその他のケルワル諸語の話者を加えて12人のインフォーマントから基礎語彙と発音を採集し、予備的方言調査を行った。ケラ・ムンダ語はピジン的な要素が多く話者間の差が大きいため、標準的な話者を見つけ出すことができず、記述に着手するには至らなかった。その方言調査の報告は、ラーンチー大学のガネーシュ・ムルム講師、京都造形芸術大学の長田俊樹教授と共同でとりまとめた。
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