2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14710388
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
鈴木 禎宏 お茶の水女子大学, 生活科学部, 講師 (80334564)
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Keywords | バーナード・リーチ / 比較文化 / 比較芸術論 / 日本:イギリス / スタジオ・クラフト / 民芸運動 / 陶芸 / セント・アイヴス |
Research Abstract |
研究実施計画に基づき、資料の収集及び関係者への聞き取り調査を行い、バーナード・リーチの伝記研究と作品研究を同時並行で進めた。 まず国内では、日本民藝館、大原美術館、倉敷民藝館、陶芸メッセ・益子、尾道白樺美術館、その他個人コレクターのお宅などで、リーチの作品や関連資料を調査した。研究計画に記した島根県には行けなかったが、出西窯の同人から、郵便で情報収集を行った。倉敷と益子では、リーチが日本の民窯に及ぼした影響や、そうした窯場の現状について調べることができた。 イギリスでもヴィクトリア・アンド・アルバート美術館をはじめ、いくつかの公的機関にて調査を行ったが、その中でもサリー州のクラフツ・スタディ・センターを訪れたこと、及び、同地で偶々開催されていたリーチ展で新資料を見られたことは有意義であった。同センターのコレクションにはリーチの作品だけでなく、彼の手帳や書簡などの一次資料も含まれており、その規模と質は予想以上に重要なものであった。今回の予備調査を踏まえ、今後さらなる調査が必要であると考えている。その一方、デイヴィッド・リーチ氏(バーナードの長男)と、その息子のジョン・リーチ氏にインタビューを行うことができた。これら二人の世代の異なる遺族の証言により、イギリスの現代陶芸史におけるバーナードの活動の意義と問題点を明確にすることができた。 以上の調査を踏まえ、リーチの伝記研究は順調に進んでいる。その成果の一部を、陶芸メッセ・益子で平成15年度に開催される展覧会で公開することができた。一方、リーチ作品の調査も順調に進んではいるが、日英に散在する膨大な数の作品を丹念に分析し、リーチの芸術の全体像を探るという作業には、まだ時間がかかる見通しである。
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Research Products
(1 results)