2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14720019
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
寺谷 広司 北海道大学, 大学院・法学研究科), 助教授 (30261944)
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Keywords | 国際人権 / 内戦 / 武力紛争法 / 国際人道法 / 法源 |
Research Abstract |
3カ年計画の第1段階であり、予定していた行動については不慮の出来事のために思うにまかせなかったものの、予定していた提出原稿などを通して研究は一応満足できる程度に進行している。 1.予定通りに進行しなかった点 研究計画では、2002年夏にジュネーヴで行われる人道法セミナーに参加する予定であった。しかし、overqualifiedであるという理由で参加を断られてしまった。これに合わせて資料収集等を行うつもりであったが、次年度以降に予定を組みたいと考えている。また、年度末にこれに代わる海外出張に出かける予定であったが、父が急死したためこれも取りやめざるを得なくなった。(なお、国内出張については、適宜ほぼ予定通り進めた。) 2.予定通りに進行している点 研究の節目を業績の公表という形で実現しているので、これに合わせて書く。 (1)「内戦化する世界-現代武力紛争法の歴史的位相」『社会科学研究』 下記(3)の著書で言及していた「社会契約説」との関係を、武力紛争法との関係で明示できた。テロリズムなどの現代的課題までに触れつつ、他方で、国家設立の根源にまで遡ることで、人権規範のもつ国際法上の意義を歴史的・理論的視座を踏まえつつ表現できた。 (2)「国際人権の基礎」『ジュリスト』 これは研究計画作成時には予定になかった依頼原稿であるが、この研究計画によく合致するので引き受けた。国際人権法学を単なる国際法の人権分野に止めるのではなく、国際人権の分野で起きていることが国際法学全体の変化にとって重要な意味をもっていると論じ、学問分野の性格付けに挑戦した。 (3)『国際人権の逸脱不可能性-緊急事態が照らす法・国家・個人』(有斐閣、2003年2月) これは本研究の直接の成果ではないが、深く関わりのあるものとして上梓した。本研究に携わっている期間中、かなりの時間を割いた。
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Research Products
(2 results)