2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14720035
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
川和 功子 大阪府立大学, 経済学部, 助教授 (70295731)
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Keywords | 電子的情報 / 瑕疵 / 民事責任 / 不法行為 |
Research Abstract |
今年度は英米法における電子的情報を巡る不法行為責任について研究を行った。英米法における不法行為法上の請求は両当事者が契約関係にない場合、そして契約法上の請求をすることが出訴期限や契約条項中の保証制限条項や損害賠償制限条項等によって可能でない場合に被害者を救済する有効な手段となり得る。 今年度の研究では特に、建築、地図、本等伝統的な媒体に記された情報が惹き起こす損害についての責任と電子的情報が惹き起こす損害についての責任について比較しながら、電子的情報が組み込まれたコンピュータ技術が組み込まれた製品の瑕疵によって惹き起こされる損害、インターネット上の電子的情報の瑕疵によって惹き起こされる損害の不法行為責任について考察することをその目的とする。特に詐欺、過失、過失による不実表示、専門家の責任等の考察に焦点をあて、製造物責任法や請求権競合等の問題の考察については来年の研究課題の一部とすることにした。研究実績については、外国へ発信するものとしては、日本の電子法制について解説するMatthew Bender社から出版されているKITAGAWA ed. DOING BUSINESS IN JAPANの一部であるNoriko Kawawa,"Introduction to Japanese Laws Regarding Electronic Commerce and Electronic Contract"の全面改訂を行った。 日本においては、大阪府立大学経済研究に、「電子的情報の不法行為責任について-詐欺、過失による不実表示、過失を中心として(1)」を掲載予定であり、すでに校正も終了している。続く「電子的情報の不法行為責任について-詐欺、過失による不実表示、過失を中心として(2)、(3)」についても順次掲載予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] NORIKO KAWAWA: "Introduction to Japanese Laws Regarding E-Commerce and Electronic Contracts(改訂版)"Doing Business in Japan. 次回リリース予定.
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[Publications] 川和 功子: "電子的情報の不法行為責任について-詐欺、過失による不実表示、過失を中心として(1)-"