2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14720052
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
和田 俊憲 北海道大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (80302644)
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Keywords | 生命倫理 / 危険犯 |
Research Abstract |
第一に、先端生命科学技術をめぐり我が国や諸外国においてこれまでに生じた問題とそれに対する取り組みを調査するために、文献・資料の収集と検討を行った。我が国については、一昨年制定された「ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律」の立法過程及びその後の議論を検討対象の中心とし、外国については、我が国がクローン技術規制法の立法に際して参考にしたもののうち、我が国よりも厳しい規制を課して議論が盛んなドイツに重点を置き、検討した。 第二に、先端生命科学技術を含んだ様々な行為類型について問題とされ得る「危険」の具体的内容の理論的解明を図るため、その点を扱った文献の収集・検討を行った。その際、個別具体的な技術についての知識を補充するよう努めた。 第三に、刑罰の根拠としての法益侵害の危険や刑法における保護法益の抽象化の限界についての理論的解明を、文献・資料に基づく検討とともに、他の刑事法研究者との講論を通して、行った。その際、危険犯が盛んに論じられているドイツでの議論を、文献の収集・検討により直接参考にするとともに、我が国における行政刑法、即ち、刑罰による行政取締法規の実効性担保の問題を、実質的な抽象的危険犯の問題として参照した。
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