2003 Fiscal Year Annual Research Report
国民の司法参加と刑事実体法解釈論の意義・位置づけ・方法論
Project/Area Number |
14720057
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
島田 聡一郎 立教大学, 法学部, 助教授 (90282540)
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Keywords | 刑法の解釈 / 国民の司法参加 / 訴追裁量権 / 事実認定と法解釈 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、国民の司法参加論、および、刑法解釈方法論の研究のための資料収集とその検討を行い、さらに、今年度は、これまで研究した成果を論文にまとめるようつとめ、本テーマに関する学術論文を執筆した。 資料収集、検討については、我が国において収集可能な資料の収集とその検討に努める作業に加え、2003年8月にドイツ連邦共和国に渡航し、同国において資料収集を行い、また現地在住の法律家とも対談し、一定の示唆を得た。 成果の発表については、月刊法学教室(有斐閣)2003年7月号において、「事実の構成と法律の適用」(法学教室274号26-35頁(2003年))という論文を執筆した。同論文は、これまでにない形での学生向け法学入門という形をとっているが、その中で、これまでのわが国の裁判所の解釈論の特色、ことに事実認定との関係にみられる特色、その問題性、裁判員制度導入後に、その問題性が増幅される可能性があること、などを、詳論している。さらに、研究者の解釈論が、裁判所における法適用のみならず、検察官の法律解釈をも念頭に置き、訴追裁量権の行使に際しても、一定の意義を持つようなものであることの必要性をも強調した。 来年度は、研究期間最後の年度である。さらに、資料収集、検討に努め研究を深めたい。また、成果の公表に関しては、刑法の教科書を分担執筆し、「罪刑法定主義と刑法解釈」の部分を担当する予定がある。そこにおいて、可能な限り研究成果を反映させていきたい。
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Research Products
(1 results)