2002 Fiscal Year Annual Research Report
世界のマクロ経済時系列データ及び金融時系列データについての非定常性の研究
Project/Area Number |
14730032
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Research Institution | Osaka Gakuin University |
Principal Investigator |
松木 隆 大阪学院大学, 経済学部, 助教授 (60319564)
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Keywords | 非定常性 / 単位根検定 / 時系列 / 構造変化 / モンテ・カルロ・シミュレーション / Augmented Dickey-Fuller検定 / マクロ経済時系列 / 金融時系列 |
Research Abstract |
1.国内外での調査…国内学会(日本経済学会・日本統計学会)及び海外学会(Econometric Society Winter Meeting)において、理論研究の成果の調査と研究者との意見交換を行った。 2.先行研究の整理…理論研究は単位根検定の検出力、サイズ・ディストーション、実用上の長所・短所を中心に整理し、実証研究は用いた検定手法とその結果を比較検討した。 3.データの収集・加工…OECD諸国及び中国について、データの収集・入力・集計・加工を行った。 4.日本のデータに関する実証研究…日本のマクロ経済時系列データ及び金融時系列データについて、先行研究の整理により、検出力の高さとサイズ・ディストーションの小ささの点で良いパフォーマンスを持つと思われる単位根検定を用いて実証分析を行った。その結果、2回までの構造変化を考慮して検定を行うと、分析に用いた21系列のうち16系列について単位根帰無仮説を棄却するという結果を得た。 5.シミュレーションによる分析…モンテ・カルロ・シミュレーションにより、日本のマクロ時系列データを用いた実証研究でよく観察されるADF(Augmented Dickey-Fuller)検定のt値タイプ統計量(定数項のみを入れたモデルの場合)の有意に小さい値が得られる現象について検証を行った。その結果、現段階では1つの可能性に過ぎないが、真のDGP(Data Generating Process)が2回の(屈折)トレンド・ブレイクを持つ定常過程であり、その系列にADF検定を行うと、推計するモデルのラグ次数によっては推定されたパラメータ及び検定統計量について実証結果に近い価が得られるという事実を発見した。 6.学会報告…4.5.の研究成果について日本統計学会で報告を行った。
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