2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14730037
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Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
青木 亮 東京経済大学, 経営学部, 助教授 (70272888)
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Keywords | 公共交通対策 / 北陸地方 / 乗合バス補助制度 / 地域協議会 / 利用可能性 / 支払意志額 |
Research Abstract |
本年度は、当該研究の2年目にあたり、昨年度からの研究を更に深化させ、最終的な成果に結びつけるべく、研究活動に取り組んだ。 規制緩和後のわが国の地域交通に関する研究では、昨年度かち継続して取り組んできた北陸3県を中心とする乗合バス事業の県単補助制度や池域協議会の状況について、とりまとめる作業を実施した.。また規制緩和後は、地域交通の維持について地域社会が果たす役割がこれまで以上に高まると考えられる。このような動きを先取りし、路線存続に向け地域社会が積極的に関与した事例である富山県の万葉線(株)を対象に調査を実施した。富山県の高岡市と新湊市を結ぶ万葉線は、利用者の減少により地元の民間交通事業者(加越能鉄道)から、第3セクター鉄道に経営譲渡されたが、この際に地元住民を中心に、寄付の募集が行われた。転換までの経緯を明らかにすると共に、寄付の提供者の分布や地域特性を分析することで、住民の支払意思額の推計を行った。また、万葉線をはじめ各地で、バリアフリー法の施行や公共交通の活性化を目的に、低床車両の導入が行われているが、これらについても調査分析を進めた。海外調査としては、規制緩和の進む欧州の先進事例について調べを行った。具体的には、2003年9月に英国、フランス、ドイツ等で、トラムを中心とする現地視察と資料収集を実施した。 これら成果の一部は、2003年6月に行われた公益事業学会第63回大会(於:作新学院大学)で、「交通事業にみる利用可能性と支払意思額の関係」として発表したほか、学会誌(公益事業研究)に発表した。また北陸地方を中心とする県単補助制度や地域協議会の現状については、『規制緩和後の乗合バス市場と自治体の対応(日交研シリーズA341)』のなかで、「4章 北陸地方における規制緩和時代の乗合バスの路線維持策」としてまとめた。
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Research Products
(2 results)