2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14730076
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Research Institution | Nagoya University of Commerce & Business |
Principal Investigator |
高橋 泰秀 名古屋商科大学, 総合経営学部, 助教授 (50329687)
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Keywords | 内生成長 / R&D / 租税 |
Research Abstract |
本年度(平成14年度)は,まず,文献サーベイを行うことにより採用するモデルを検討した。R&Dが経済成長をもたらすとする従来の内生成長モデルは,スケール効果(人口が増加すると経済成長率が上昇する)を持つものであった。しかし,スケール効果の存在は,実証分析では否定されており,同効果を持たないモデル(non-scale model)の考案が待たれていた。この点に答えたのが,Howitt(1999)のモデルである。そこで同モデルを用いて,各種の税が長期的な経済成長率に与える効果を比較静学の手法により分析した。その結果,労働所得税は,長期的な経済成長率に影響を与えないが,資本所得税は影響を与えるということが明らかにされた。 Howitt(1999)のモデルは,従来の問題点を克服しているものの,モデルの動学特性が不明瞭であるため,移行過程を分析することが困難である。その点,Howitt(1999)と同様non-scale modelであるEicher and Turnovsky(2001)のモデルは,動学特性が明らかにされており,移行過程の分析に適している。 来年度(平成15年度)は,Eicher and Turnovsky(2001)のモデルを用いて,各種の税が経済成長率に与える効果を,移行過程も含めて分析する予定である。 参考文献 Eicher, S. and S. J. Turnovsky (2001) "Transitional dynamics in a two-sector non-scale growth model", Journal of Economic Dynamics and Control, Vol. 25, PP. 85-113. Howitt, P. (1999) "Steady Endogenous Growth with Population and R & D Inputs Growing", Journal of Political Economy, Vol. 107, no. 4, pp. 715-730.
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