2003 Fiscal Year Annual Research Report
地域におけるネットワークのイノベーション創出能力に関する実証研究
Project/Area Number |
14730103
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
相原 基大 長崎大学, 経済学部, 助教授 (40336144)
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Keywords | 地域におけるネットワーク / イノベーション / スピルオーバー / 成果の専有可能性 |
Research Abstract |
本年度の研究活動は、(1)前年度におこなった既存の調査研究成果のレビューにもとづいた、本研究の論点を整理し、実証研究の分析枠組みの構築を試みたペーパーの執筆(現在、投稿中)、(2)九州地域の創造的中小企業673社に対する質問票調査の実施、(3)九州地域を中心とする地域企業および行政機関に対する聞き取り調査をとおした、地域におけるネットワーク活動の現象の把握、の3つである。 なかでも、質問票調査の準備(質問票の設計、調査対象の選定等)が中心的な作業であった。具体的な作業は以下の通りである。 第1に、異業種交流活動を中心とする国内各地のネットワーク活動にかんする二次データにもとづき、(1)地域におけるネットワークのイノベーション創出に関しては所期の成果をあげていない事実、(2)イノベーションの実現に関して地域におけるネットワークのボトルネックになっていると指摘される要因を確認し、リサーチクエスチゴンの絞込みおよび質問項目の設定を試みた。 第2に、長崎県内の企業を中心に地域におけるネットワーク活動の実態にかんする聞き取り調査をとおして一時データを渉猟し、分析枠組みの妥当性の確認、事例分析に向けた予備的なケースの執筆、リサーチクエスチョンの洗練、質問項目のワーディングの修正等をおこなった。 第3に、来年度に予定する調査のパイロットスタディとして、九州内の創造法認定企業を中心とする創造的中心企業673社をサンプルに選定し、企業のイノベーション活動、地域におけるネットワークの活用に関する質問票調査をおこなった。現在解析をすすめ、暫定的な結果を公表予定の研究ノートにまとめている。
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