2002 Fiscal Year Annual Research Report
研究開発マネジメントとしての知的財産管理に関する実証研究
Project/Area Number |
14730106
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
和田 哲夫 学習院大学, 経済学部, 助教授 (10327314)
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Keywords | 特許管理 / 研究開発戦略 / 知的財産権 |
Research Abstract |
本研究は、研究開発活動、技術資産、企業間知識フロー等について特許データを利用して計測し、契約・訴訟・企業組織データ等と結合することによって、研究開発と知的財産管理の関係を実証的に明らかにすることを目的とする。分析のためのデータベース整備作業と分析作業を、段階を踏んで長期的に行い、年度ごとに中間成果を出す方針を立てている。初年度となる平成14年度は、まず研究者個人レベルの分析を優先してデータベースの整備を行った。それを利用して、企業に雇用された研究者や個人発明家など、個人レベルの研究開発生産性の決定要因や、ライセンス行動を分析し、職務発明に関する特許制度との関係を考察した論文一編を完成した。具体的には、Micropatent社の米国特許書誌データを購入し、個人単位の発明者データの整理及び特許生産性の分析を行った成果として、「個人発明家と企業内発明者-米国特許データからみた個人の発明生産性とその決定要因-」と題した論文をとりまとめた。これを一橋大学イノベーション研究センター主催の知的財産権に関する経済分析カンファレンスにて発表したのち、コメントを踏まえて改訂した。本論文は、まもなく東京大学出版会から刊行される『知的財産権とイノベーション』(後藤晃,長岡貞男編著)の第4章となる予定である。なお、この研究過程で、米国長期出張を行い、カリフォルニア大バークレー校D.Mowery教授、ミシガン大J.Oxley助教授などと詳細な議論を交換し、大変有益なアドバイスを得られた。そのほか、米国の優れた商業データベースを出張先で閲覧し、今後整備すべきデータベース構造の理解に進歩を得られた。このほか、データベース構築・分析作業に必要なコンピュータ機器(とりわけ記憶装置・メディア・モニタなど入出力装置)の整備を行い、研究効率を改善することができた。
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Research Products
(1 results)