2002 Fiscal Year Annual Research Report
ワールド・ワイド・ソーシング網形成にみる地域の競争力:アセアン自動車の事例
Project/Area Number |
14730109
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
加茂 紀子子 日本大学, 商学部, 助教授 (10256795)
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Keywords | ASEAN自動車産業 / BBCスキーム / AICOスキーム / ソーシング / アーキテクチャ / 部品相互補完 / 地域集積 / 国際物流 |
Research Abstract |
本年度は、ASEAN4(タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン)をまたいで行なわれている日本自動車多国籍企業の域内ソーシングについて、まず、4つの類型を示した。すなわち(イ)扇形:A国、B国、C国から、D国が一方的に諸部品を輸入している関係。 (ロ)逆扇形:B国、C国、D国の生産はA国の基幹部品があれば完了するという集中的依存関係。 (ハ)シーケンシャル型:A国→B国→C国→D国というように順次的に加工段階を重ねる関係。 (ニ)レシプロ型:各国は分散的でありつつも、参加者すべてと双方依存的な互酬的な依存関係(reciprocal interdependence)を取り結ぶ補完的(complementary)構造。 の4種である。 自動車産業の特徴について、当該産業をアーキテクチャ特性から把握するならば、いずれのソーシングパターンも経済合理的であるとはいえない。それでもなお、とくに日本自動車産業のASEAN合弁事業において(ニ)レシプロ型のパターンのソーシングが観察されるのはなぜかという問いを設定し、その解明のために、歴史実証的にASEAN各国の自動車産業政策を検討した。 加えて、(ニ)レシプロ型のソーシング網の形成は、三菱自動車のようにボトムアップに日々のオペレーションの積み重ねによって完成を見せているケースと、トヨタ自動車やデンソーのようにトップダウンに戦略的生産配置を決定した上で、整合的にオペレーションしているケースがあることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)