2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14740006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斉藤 義久 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (20294522)
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Keywords | 量子群 / 結晶結底 |
Research Abstract |
今年度の研究計画として申請者が掲げた目標は次の2つであった。 [1]対称化可能Kac-Moodyリー代数の量子群の表現の結晶基底の幾何学的構成。 [2]対称でないaffine量子群および結晶基底の具体的記述。 この2つの目標のうち、[1]に関しては満足のいく成果が得られた。具体的には、まずquiver多様体上に、Dynkin図形の畳み込み(folding)から誘導される自己同型を構成する。この自己同型によってquiver多様体のLagrangean部分多様体は保たれるので、その既約成分全体の集合上の置換が引き起こされる。この置換で不変な既約Lagrangean部分多様体を取り出すことにより、対称でない場合の量子群の結晶基底を幾何学的に構成することができた。この成果に関しては現在準備中の論文で発表の予定である。 [1]が完了したことで、[2]に関しても進展が期待できる状況になった。今年度は一般論ではなく、申請者が最も興味を持っているA^<(2)>_<2n>型の場合に関する具体的な計算を行った。これは[2]からみれば一つの具体例に過ぎないが、本研究の最終目的からすればむしろ最も重要なケースにあたる。 [1]の完成によってA^<(1)>_<2n+1>型からの折り畳みで理解出来るようになった。A^<(1)>_<2n+1>型に関しては結晶基底の構造が非常に詳細にわかっており、A^<(2)>_<2n>型に関しても具体的記述が可能になる。
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Research Products
(1 results)