2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14740008
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
野間 淳 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (90262401)
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Keywords | Castelnuovo-Mumford regularity / defining equation / syzygy / Projective curve / secant line |
Research Abstract |
射影多様体のCastelnuovo-Mumford regularityは,定義方程式,generic initial idealの生成元の次数,ヒルベルト関数などに関係する重要な不変量である.他方,regularityと多重割線の間には密接な関係があることが期待されている.本年度は,この観点から,射影多様体の埋め込みの幾何学的な性質である多重割線,多重割空間に重点をおいて研究を行った.まず,射影代数曲線について,多重割線の交点数の上限について研究を行った.射影空間内の余次元がeの,既約なd次数射影曲線に対する,多重割線の長さの上限は,d-e+1であること,またより一般にk次元多重割空間と射影曲線の交点数の上限は,d-e+kであることが知られていた.ここでは,種数がgの射影曲線とk次元多重割空間の交点数の上限は,d-e+k-gであることを2通りの方法で示すことができた.一方は,幾何学的な考察とヒルベルト関数と種数の関係を使うものである.もう一方は,regularityとの関係を用いるもので,標数によらずに証明することができた.これに基づき,高次元の非特異な射影多様体についても、曲線の場合に帰着させることによって,同様の不等式を示すことができた.他方;特異点のある高次元の射影多様体の場合には,一般には曲線の場合に帰着させられるとは限らないので,曲線で得られた結果が一般の射影多様体について成立するかどうかは明らかではなかった.ここでは,別の方法を用いて,同様にd-e+kで押さえられることを示した.平行して行なった,一般の射影曲線に対するCaste Inuovo-Mumford regularityをより厳密に評価しようとする研究については,現在も継続中である.
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