2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14740010
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
坂内 健一 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助手 (90343201)
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Keywords | ポリログ / Eisenstein級数 / 混合層 / p-進 / Bloch-加藤予想 |
Research Abstract |
代数体上定義された代数多様態のHasse-Weil L-関数の整数点での値に関するBloch-加藤予想を,p-進混合層とp-進ポリログと言う手法を通して研究することが本研究の目的である.今年度は,p-進混合層の理論を拡張し,p-進円分ポリログ層の,位数がp-で割れる1の冪根への制限を計算することに成功した.この結果を論文「Specialization of the p-adic polylogarithm to p-th powe roots of unity」にまとめ,この論文を投稿した.また,この結果をドイツ(Muenster大学)の研究集会で発表した.この計算結果は以前,別な方法によって知られているが,この様な計算にも適した形でp-進混合層の理論を拡張できたことが大事であると思われる.また,虚数乗法を持つ楕円曲線の場合のp-進ポリログとp-進Eisenstein級数の関係を調べた.ホッジ理論の場合のポリログは,混合ホッジ構造の変形で与えられ,この場合は楕円曲線上の微分方程式系によって特徴付けられる.Eisenstein級数は,この微分方程式の解と密接な関係にある.今年度新たに,p-進の場合のポリログが,ホッジ理論の場合と類似なp-進微分方程式系によって特徴付けられることが分かった. 今後はp-進ポリログを特徴付ける微分方程式系を解き,この方程式の解となるp-進解析関数と,p-進Eisenstein級数と呼ばれる関数の関係を調べる予定である.p-進ポリログはp-進regulatorと密接な関係にあり,p-進Eisenstein級数はp-進L-関数と密接な関係にある.この研究が進めば,Bloch-加藤予想の証明に必要なp-進regulatorとp-進L-関数の関係が分かる筈である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kenichi Bannai: "Syntomic cohomology as a p-adic absolute Hodge cohomology"Mathematische Zeitschrift. 242/3. 443-480 (2002)
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[Publications] Kenichi Bannai: "On the p-adic realization of elliptic polylogarithms for CM-elliptic curves"Duke Mathematical Journal. 113. 193-236 (2002)
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[Publications] Kenichi Bannai: "Specialization of the p-adic polylogarithm to p-th power roots of unity"Documenta Mathematica. (投稿中).