2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14740010
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
坂内 健一 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助手 (90343201)
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Keywords | p-進ポリログ / p-進L-関数 / 楕円曲線 |
Research Abstract |
今年度は主に虚数乗法を持つ楕円曲線の2変数p-進L-関数について研究した。今年度前半に於いては虚数乗法を持つ楕円曲線に付随するp-進楕円ポリログの計算に従事した。この場合のp-進ポリログはp-進混合層として抽象的に定義されており、それを具体的に求めるため、ある種のp-進微分方程式の解を求めることが必要である。この時期の結果としては、このp-進微分方程式に解が存在することを証明した。また、この解と、p-進L-関数の特殊値の間の関係を調べた。 この研究を行う際、虚数乗法を持つ楕円曲線の2変数p-進L-関数を詳しく調べる必要が生じた。今年度の後期に於いては、虚数乗法を持つ楕円曲線の2変数p-進L-関数を詳しく調べた。このp-進L-関数の各変数の意味は、従来、楕円曲線のパラメーターとモジュライ方向のパラメーターの2変数であるという解釈が取られていたが、それと異なる、より自然な新解釈を見いだすことに成功した。 この新解釈を用いることで、2変数p-進L-関数の構成を、従来のKatz-Yagerの方法より、より見通し良く自然に構成する方法が存在する可能性が見えてきた。このため、今年度の最後は、この様な構成を具体的に行うことを目指した。この様な構成が可能であると仮定すると、Katz-Yagerの場合以外にも、楕円曲線がsupersingular reductionを持う場合にも2変数p-進L-関数が構成できることになり、整数論的にも非常に面白い問題と結びつくことが期待される。
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Research Products
(1 results)