2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14740014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永田 誠 京都大学, 数理解析研究所, 助手 (30293971)
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Keywords | ディオファンタス近似 / 数論的微分方程式 / パデ近似 |
Research Abstract |
今年度の業績として、G-関数(正確にはG-operatorなる数論的微分方程式の正則関数解)の「有理点」のDiophantine近似及びその応用に関する結果を雑誌に投稿及び掲載決定、がある。 これは当該研究者の研究計画にも述べてあるように、数体における積公式、関数論のJansenの公式、さらにG-operatorという数論的微分方程式に関連する量、を並べると交代和のようになる、という発見によるものの追求による成果である。この交代和はcohomologyの次元公式などで想像されるように、何かがわかれば残りがわかる、という関係を示唆するものであるが、事実ここでの成果を振り返ればこの発見は当該研究者の研究目的の一つである、数論的近似(特殊値の数論的性質、即ち数体上位相的性質)と関数論的近似(関数空間的性質)の相互の関係解明、の前進に有用であることを示すものであろう。 また、これら二つの関係においてその橋渡し的役割を持つ、いわゆるPade近似、即ち数論的且つ関数論的に良い近似多項式、の性質解明のおいてもこの考察が有効であることが認められた。っまり、種数0の代数曲線のごとく非常に多くの有理点があるG-関数については、非常に良いPade近似はある意味非常に少ないということが証明される(未発表)。 しかしながらここで得られるものは細々とした条件が必要であるため、発見されていない重要な事項があると思われる。これに関して現在新しい視点からの研究を行っている。 この結果はBombieri-Cohenの「種数1以上」の数体上代数関数は良いPade近似を持たないという結果を「すべての」数体上代数曲線の場合にある意味補完する形になっていることに注意しておく。
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Research Products
(1 results)