2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14740023
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
松野 一夫 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (40332936)
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Keywords | 楕円曲線 / 岩澤理論 |
Research Abstract |
今年度は,Greenberg-Vatsalによる楕円曲線のSelmer群に付随する岩澤λ不変量に関する結果の類似を,素数pが2の場合に証明した.pでgood ordinary reductionを持つ有理数体Q上の楕円曲線Eに対し,円分Z_p拡大Q_∞/QでのEのSelmer群の岩澤λ,μ不変量をλ_<E,p>,μ_<E,p>と書く.そのときGreenbergとVatsalは,p【greater than or equal】3でμ_<E,p>=0という仮定の下,Galois加群としてE[p]〓E'[p]なる全ての楕円曲線E'に対してλ_<E',p>-λ_<E,p>の明示公式を与えた.(ただしE[p]はEのp等分点全体を表す.)今回得た結果はp=2の場合にも同じ公式が成り立つというものであるが,p>2の場合と異なりE[2]〓E'[2]という仮定だけでは足りず,その同型がある部分群を移しあうという条件も必要であることがわかった.(その条件が満たされない場合には公式は成り立たない.)この結果の系として,前年度に得ていた楕円曲線のtwistによるλ_<E,2>の変化を記述する公式の別証明も得られた. またp【less than or equal】5の場合に,楕円曲線Eを動かすことでλ_<E,p>が任意に大きな値を取り得ることを具体例を構成することで示した.任意のpでそのような結果が成り立つことは,不変量μ_<E,p>に関するある予想の下でGreenbergにより示されていたが,上記のGreenberg-Vatsalの公式やtwist変化の公式を使うことで,予想を仮定することなく実例を与えることができた.更にp=2の場合にはλ_<E,2>が任意の非負整数を取り得ることもわかった.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kazuo Matsuno: "Finite Λ-submodules of Selmer groups of abelian varieties over cyclotomic Z_p-extensions"Journal of Number Theory. 99・2. 415-443 (2003)
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[Publications] Kazuo Matsuno: "A note on the growth of Mordell-Weil ranks of elliptic curves in cyclotomic Z_p-extensions"Proceedings of the Japan Academy, Ser.A. 79・5. 101-104 (2003)