2003 Fiscal Year Annual Research Report
高次懸垂写像の組み合わせ論的モデルによるホモトピー群の大域的構造の研究
Project/Area Number |
14740039
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
玉木 大 信州大学, 理学部, 助教授 (10252058)
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Keywords | スペクトル系列 / operad / ループ空間 |
Research Abstract |
本研究の第一の目標は、高次懸垂写像のホモトピー・ファイバーの一般ホモロジーを計算する効果的な方法を開発することにある。そのために、2002年度は高次懸垂写像のホモトピー・ファイバーの、組み合わせ論的モデルを構成した。 その組み合わせ論的モデルに良いフィルター付けを行ない、スペクトル系列を構成することが次のステップであるが、その候補としては著者が1994年の論文および2002年の論文で研究した小立方体の空間から成るオペラッドに対するフィルター付け(gravity filtration)が最も有力である。ただし、昨年度構成したモデルは小立方体のオペラッドではなく、Steinerオペラッドというより自由度の大きな空間から成り、小立方体の空間に対する証明を改良することが必要となる。 特に、小立方体のgravity filtrationから構成されるスペクトル系列を計算に用いる際に最も重要な事実は、それがコバー型のEilenbert-Mooreスペクトル系列とE^2項以降で同型であることだった。Eilenberg-Mooreスペクトル系列と同型になれば、その微分は著者の2003年の論文の公式で計算できる。 ただし、その証明は間接的であり、高次懸垂写像のホモトピー・ファイバーに対してそのまま適用することはできない。そこで小立方体オペラッドの第一座標に関する分解を考え、小立方体のgravityfiltrationから構成されるスペクトル系列がEilenberg-Mooreスペクトル系列とE^1項から同型であることを証明した。この証明は著者の2002年の論文の場合にもそのまま適用できる。この結果により、スペクトル系列の微分の計則がより直接行なえるようになった。高次懸垂写像の場合については、現在研究中である。 この結果は、2003年11月に京都大学談話会及び2003年12月の湯布院での研究集会で発表した。現在投稿準備中である。
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Research Products
(1 results)