2003 Fiscal Year Annual Research Report
プロパーな距離空間におけるコンパクト化の理論と漸近次元論の研究
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14740057
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Research Institution | Miyakonojo National College of Technology |
Principal Investigator |
友安 一夫 都城工業高等専門学校, 一般科目, 助教授 (10332107)
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Keywords | コンパクト化 / 束構造 / 濃度係数 / 濃度関数 / 実数の集合論 / 遺伝的正規 / Gartsideの問題 / 非可分連結距離空間 |
Research Abstract |
上記研究課題のコンパクト化の理論は大きく分けて二つの方向性がある.一つは剰余の構造の研究であり,もう一つはコンパクト化全体に自然な順序をいれて束とみなしたときの束構造の研究である.ここで,H15年度は距離に依存するコンパクト化の束構造,特にStone-Cechコンパクト化の距離に依存するコンパクト化による近似理論に関して大きな進展が得られた.これは,H14年度に北見工業大学の嘉田氏との研究打ち合わせを行ったとき上記研究課題と無限組み合わせ論との関連が明らかになったことに端を発し,本年度はその定式化に成功した.得られた結果は位相不変量の一つである濃度関数に関係した結果である.すなわち,Stone-Cechコンパクト化を距離に依存するコンパクト化として知られているHigsonコンパクト化やSmirnovコンパクト化のクラスで近似したとき,近似において必要なクラスの最小個数(=最小濃度)として濃度係数をそれぞれのコンパクト化で幾つか定義できた.この濃度係数が定義できたことによりコンパクト化の近似に関してある種の困難性を分類できるようになった.この結果,本研究は実数の集合論にも大きな影響を与えたことも付記しておく.ここで得られた結果は数理解析所講究録の論文「How many miles to βω?---------βωまで何マイル?」にまとめ現在印刷中である.(キーワード:(1)〜(5)) あと,H14年度にヘルシンキ大学のJunnila氏との共同研究により得られた成果を論文としてまとめたものが最近出版された.(Hereditarily Normal Extensions, Top.Appl.)この論文は長年未解決だった距離空間のコンパクト化にかかわるGartsideの問題を解決したことで得られたものなのであるがH15年度もJunnila氏との共同研究を継続し,この問題の解決に伴い新たに持ち上がった非可分連結距離空間におけるコンパクト化の遺伝的正規性に関する必要条件を得るに至り,現在投稿準備中である.(キーワード:(6)〜(8))
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Heikki Junnila: "Hereditarily normal extensions"Topology and its applications. 136. 1-6 (2004)
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[Publications] 嘉田 勝: "How many miles to βω?---------βωまで何マイル?"一般及び幾何学的トポロジーと関連する諸問題,数理解析所講究録. (印刷中). (2004)