2002 Fiscal Year Annual Research Report
摩擦型滑り・漏れ境界条件下でのNavier-Stokes方程式の有限要素近似
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14740067
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
齊藤 宣一 富山大学, 教育学部, 講師 (00334706)
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Keywords | 有限要素法 / ナヴィエ・ストークス方程式 / 非線形半群 / 正則性 / 劣微分 / 摩擦境界条件 / 滑り境界条件 / 漏れ境界条件 |
Research Abstract |
1.定常線形化問題(Stokes方程式)の弱解の正則性に関する研究を行いほぼ最適といえる結果を得た.このことにより,近似解を適切に構成した場合の,誤差のオーダについての予想を得ることができた. 2.定常線形化問題(Stokes方程式)に対して,離散問題と連続問題との関係を研究し,数値解法を提案した.非線形の境界条件の数値的挙動を詳しく調査する趣旨で,高性能のパーソナルコンピュータを購入し,また,計算結果の可視化は数学的実存を捉える上で重要であるので,可視化ソフトを購入した.数値実験は現在実行中である. 3.Stefan問題,多孔性媒質を通過する流れ問題に関連した非線形半群の有限要素近似のL^1理論を構築し,詳細な誤差解析(半離散問題の収束)を行った.また,自己相互作用粒子系の数値計算に際して,系の保存則(正値性,質量,エネルギー散逸)のすべてを実現するような差分スキームを提案して数値実験によりスキームの妥当性を確認した. 4.ローザンヌ連邦工科大学(スイス)のA.Quarteroni教授の研究室を訪ね,彼らのグループの現状についてのレビューを受ける予定であったが,Quarteroni教授が来日したため(9月),その機会を利用して情報交換を行った. 5.応用数理学会,京都大学数理解析研究所の研究集会で研究成果の発表をした.また,生体シミュレーションの専門家にレビューを受けたり,医学工学の研究会に参加したりして,新たな応用の可能性を検討した.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] N.Saito: "Regularity of solutions to the Stokes equations under a certain nonlinear boundary condition"Lecture Notes in Pure and Appl. Math.. 223. 73-86 (2002)
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[Publications] N.Saito: "Numerical methods for nonlinear semigroups and degenerate parabolic equations"京都大学数理解析研究所講究録. 1254. 32-40 (2002)
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[Publications] N.Saito: "New solver to the ill-posed problem in magnetoencephalography"京都大学数理解析研究所講究録. 1207. 29-48 (2002)