2002 Fiscal Year Annual Research Report
Ore型条件をともなった一般のグラフ及び2部グラフのサイクル分割について
Project/Area Number |
14740087
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
善本 潔 日本大学, 理工学部, 助手 (90307801)
|
Keywords | 2部グラフ / Ore型条件 / 最長サイクル / 辺次数 / 支配的なサイクル / 連結度 |
Research Abstract |
主に2部グラフについて研究した。特にOre型条件を伴ったグラフの最長サイクルの長さの下限についてのWangの予想を肯定的に解決した。Wangの予想[Graphs and Combinatorics 12(1996)373-384]とは、「二つの部集合間の非隣接な2頂点の次数和の最小値をkとすると、最長サイクルの長さの下限が2k-2である」という予想である。さらに、Wangの予想は2連結を仮定するが、3連結を仮定した場合、いくつかの例外を除いて下限が2kに改良されることを示した。 2部グラフの場合、一般のグラフに対して条件は1/2倍ですむと考えられている。我々の結果は2部グラフ的Ore型条件における最長サイクルの長さの下限に対してその予想が正しいことを示している。この結果はスロバキアで開催されたグラフ理論の国際会議で発表した。その後オランダのBroersma博士を訪ね、最長サイクルに関連する支配的(Dominating)なサイクルについて共同研究した。そしてVeldmann[Discrete Math.44(1983)309-316]の結果を改良した。 Veldmannの結果とは、辺次数を定義し支配的なサイクルの存在条件の辺次数和の下限を示している。我々は同じ条件の下、更に最長サイクルのなかに支配的なサイクルが存在することを示した。辺次数は頂点次数の概念を含んでおり、我々の結果は、2部グラフ(または三角形フリーなグラフ)に限定すると支配的な最長サイクルの存在条件がやはり一般のグラフの1/2倍になることを示している。これはAung[J.Combin.Theory Ser.B47(1989)171-186]の結果を一般化している。この結果はハンガリー(2003年6月)で開かれる極値グラフ理論国際会議で発表する予定である。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] A.Kaneko, Y.Oda, K.Yoshimoto: "On geometric independency trees of the set of points in the plane"Discrete Math.. 258. 93-104 (2002)
-
[Publications] A.Kaneko, K.Kawarabayashi, K.Ota, K.Yoshimoto: "On a hamiltonian cycle in which specified vertices are not isolated"Discrete Math.. 258. 85-91 (2002)
-
[Publications] A.Kaneko, K.Yoshimoto: "On a 2-Factor with a Specified Edge of a Graph Satisfying the Ore Condition"Discrete Math.. 257. 445-461 (2002)
-
[Publications] K.Ando, A.Kaneko, K Kawarabayashi, K.Yoshimoto: "Contractible edges and bowties in a k-connected graphs"Ars Combin.. 64. 239-247 (2002)