2002 Fiscal Year Annual Research Report
量子タイプ理論の構成とその量子ユニバーサル符号化定理への応用
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14740091
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Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
古市 茂 山口東京理科大学, 基礎工学部, 講師 (50299327)
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Keywords | 量子通信路符号化定理 / 量子信頼性関数 / 量子二元対称通信路 / 修正信頼性関数 / エンタングルメント / 量子コンピュータ / 量子情報 |
Research Abstract |
本年度は,量子通信路符号化問題において重要な結果を残しているロシアの数学者A.S.Holevoが示したOpen Problemに取り組んだ.つまり,量子信頼性関数に現れる補助関数の凹性の問題である.この予想は古典の信頼性関数理論からと量子の場合の特別なとき結果からの推測である.今年はこの問題の部分的な解決を果たした.つまり2×2の正方行列に対して量子信頼性関数に現れる補助関数の凹性の証明を与えたのである.しかし,一般のn×nの正方行列に対してはまだ証明されていない.これは今度の課題となるであろう.また,これらと平行してHolevoが提案したdecoding POVMを具体的に構成しこのときの誤り確率を計算し,典型系列の個数の増加と共に復号誤り確率の減少を確認した.さらに,量子通信路問題に関する研究では,量子二元対称通信路に対する量子通信路容量の計算を行った.現在進行中であるものに量子二元対称通信路に対する信頼性関数及び修正信頼性関数の計算がある.以上の成果は情報源が全て独立かつ同一の分布のときに限られているが,本研究課題はユニバーサルな情報源に対する通信路問題を扱う為に,その準備として量子タイプについて学んだ. これらの通信路問題に関する研究とは別に量子情報に関する研究成果として以下のものがなされた.つまり二順位原子やイオントラップの時間発展に対するエンタングルメントの変化が主であり,これらの研究は量子コンピュータの設計に関して重要なファクターとなりうるとされているものである.ここで得られた手法が,将来の量子コンピュータの設計に対して貢献されると予想する.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Furuichi, K.Yanagi, K.Kuriyama: "A sufficient condition on concavity of the auxiliary function appearing in quantum reliability function"INFORMATION. Vol.6,No.1. 71-76 (2003)
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[Publications] S.Furuichi, S.Nakamura: "Rigorous derivation of quasi-mutual entropy in Jaynes-Cummings model"Journal of Physics A. Vol.35,No.26. 5445-5452 (2002)