2002 Fiscal Year Annual Research Report
非線形クライン-ゴルドン方程式とベンジャミン-オノ方程式の時間大域可解性の研究
Project/Area Number |
14740096
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 誠 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (70312634)
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Keywords | クラインゴルドン方程式 / シュレディンガー方程式 / 波動方程式 / ストリッカーズ評価 / 大域可解性 / ソボレフ空間 |
Research Abstract |
当研究は相互作用という非線形項を持つ非線形クラインゴルドン方程式の小さいデータに対する時間大域可解性について考察することを主要な目的としている。特に非線形項の指数pが十分小さいところで可解性を示すことを目標としている。14年度はまずクラインゴルドン方程式の線形評価を再構成することにより、シュレディンガー方程式の共形冪に相当する指数に小さいところまで、2種の相互作用が入った非線形項を持つクラインゴルドン方程式の小さいデータに対する時間大域可解性を示すことが出来た。データはソボレフ空間H^s(sは非負実数)で与えるが、この解のクラスで扱え得る2種の臨界非線形項指数を同時に扱うことが出来た。この結果はシュレディンガー方程式、および波動方程式についての類似の結果と共に雑誌論文1において発表された。 次にシュレディンガー方程式の平滑化効果がクラインゴルドン方程式にどのように影響するかを調べるために、それら2つの方程式を組み合わせ、Maxwell-Schroedinger方程式とし、その局所可解性を調べた。シュレディンガー方程式の平滑化効果により、クラインゴルドン方程式の解に要求される可微分可能性を2階下げることが出来、既知の結果と比べ非常に広範な範囲での可解性を一意性と共に示すことが出来た。この研究は大阪大学の和田助手との共同研究で、現在論文にまとめている。 次にこれまでの研究では方程式に対する時間と空間変数に対する古典的な線形評価しか用いていなかったが、今度は空間変数内の角変数にも着目し、線形評価を再構成することを試みた。角変数を考えない場合の線形評価にはエンドポイントと呼ばれる線形評価が成り立たない臨界点が存在する。角変数を考え、その変数での可微分性を考えることにより、エンドポイントでの線形評価を角変数という補助指数を設けて構成することが出来た。応用として、波動方程式、クラインゴルドン方程式に対するエネルギークラスより若干弱いクラスでの小さいデータに対する時間大域可解性を示すことが出来た。この研究は北海道大学小澤教授、名古屋大学中西助教授、島根大学町原助手との共同研究であり、現在論文にまとめている。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] M.Nakamura, T.Ozawa: "Small data scattering for nonlinear Schroedinger, Wave and Klein-Gordon equations"Annali della Scuola Normale Superiore di Pisa. Classe di Scienze. 1. 435-460 (2002)