2002 Fiscal Year Annual Research Report
解の一意性が保証されていない相転移問題に対応する力学系の研究
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14740109
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
山崎 教昭 室蘭工業大学, 工学部, 講師 (90333658)
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Keywords | 自由境界問題 / 力学系 / 相転移問題 / 非線形発展方程式 / アトラクター |
Research Abstract |
本年度の研究実績は以下の通りです。 多くの非線形現象の時間的変化を数学的に扱える方法として『力学系理論』があります。通常の力学系の安定性の理論は、既に多くの研究者によって様々な角度から研究されています。本研究では、解の一意性が示されていない非線形現象を解明する目的で、多価力学系に対する安定性理論を展開する必要があります。 本年度は、多価力学系に対する安定性理論の構築を行いました。具体的には、我々がこれまで研究してきた時間依存する凸関数の劣微分に支配される非線形発展方程式に対応する力学系の安定性理論を見直しました。今までの抽象理論は、解の一意性が保証される数理モデルで記述される現象に対して有効でした。そこで本年度は、解の一意性が保証されていない場合にも適用できるように、今までの抽象理論を一般化しました。具体的には、今まで構築してきたヒルベルト空間上で定義された凸関数の劣微分で生成される非線形発展方程式の可解性、安定性の抽象的理論結果を発展させ、多価力学系に対する安定性理論を構築しました。 また本年度の研究成果により、地域経済成長問題の安定性を非線形発展方程式論の立場から研究できるようになりました。地域経済成長問題は、解の一意性が保証されていません。従って、本年度構築した多価力学系に対する安定性理論を用いることで、地域経済成長問題の解の漸近安定性を解の一意性なしで研究できるようになりました。つまり、地域経済成長問題により生成された多価力学系に対する大域的アトラクターの存在を得ることができ、大域的アトラクターの立場から地域経済成長問題の安定性を議論できるようになりました。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Okazaki, N.Yamazaki: "Numerical results for the dam problem in two dimensional case"The 2^<nd> Polish-Japanese Days on Mathematical Aspects of Modelling Structure Formation Phenomena. Vol.17. 291-305 (2002)
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[Publications] N.Kenmochi, N.Yamazaki: "Global attractors for multivalued flows associated with subdifferentials"Elliptic and Parabolic Problems, Proceeding of the 4th European Conference, Rolduc, Netherlands, Gaeta, Italy. 135-144 (2002)
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[Publications] N.Yamazaki: "Attractors for non-autonomous multivalued evolution systems generated by time-dependent subdifferentials"Abstract and Applied Analysis. Vol.7, No.9. 453-473 (2002)